今日の『がっちりマンデー!!』を見ていると、「お祭りビジネス」という特集が放送されていました。
その中で取り上げられていたのが、スーパーボールすくいです。
たしかに、私が子どもの頃のスーパーボールすくいといえば、紙を貼った「ポイ」を使うのが普通でした。
破れないようにそっと水に入れて、できるだけ多くすくう。
ところが今は、お玉ですくう方式が主流のようです。
ふつうにいくと、
「お玉だったら確実に一定数をすくえる。店側の利益は減るんじゃないの?」
と思いますよね?
ポイであれば途中で破れてしまうので、取られるスーパーボールの数を抑えやすい。
一方、お玉ならほぼ確実に一定数を取れる。
一見すると、昔のポイ方式の方が店側には有利に見えます。
でも、実はそう単純ではありません。
ポイントは、
「1人に何個取られるか」ではなく、「1時間に何人のお客さんを回せるか」
です。
お玉の方が「回転」が速い
ポイを使う場合は、破れるまで何度も挑戦するため、1人あたりの滞在時間が長くなります。
一方、お玉であれば、
「3回すくう」
「30秒間すくう」
「1回ですくえるだけ」
といったルールにしやすく、短時間で次のお客さんに交代できます。
仮に、説明用にこんな条件だったとします。
| ポイ方式 | お玉方式 | |
|---|---|---|
| 1人あたり所要時間 | 3分 | 1分 |
| 1時間あたり対応人数 | 20人 | 60人 |
| 料金 | 500円 | 500円 |
| 1時間あたり売上 | 10,000円 | 30,000円 |
もちろん、これは実測値ではなく、考え方を分かりやすくするための仮定です。
ただ、ここで大事なのは、
1人あたりの景品原価が多少増えても、回転率が大きく上がれば、時間あたりの売上は増える可能性がある
ということです。
つまり、
「1人からいくら儲けるか」より、「1時間でいくら儲けるか」
という見方です。
飲食店でも「回転率」はとても重要
この考え方は、お祭りだけの話ではありません。
飲食店では、お客さんの回転率が非常に重要です。
たとえば、同じ10席の店でも、
1時間に1回転するのか。
1時間に2回転するのか。
それだけで、売上の作り方は大きく変わります。
だから飲食店では、
料理を出すスピード。
注文の取り方。
会計の方法。
席の配置。
片付けの速さ。
といったところまで、回転率を意識して設計されています。
単に「原価を下げる」だけではなく、
限られた時間と場所で、どれだけ多くのお客さんに利用してもらえるか
を見るわけです。
製造業でも、考え方は同じ
製造現場でも似たことがあります。
1個あたりのコストを下げることも大切です。
でも、それだけを見ていると、本当に効果のある改善を見落とすことがあります。
少しコストが上がっても、
段取り時間が短くなる。
ボトルネック工程の処理能力が上がる。
仕掛品が減る。
生産量が増える。
結果として、工場全体の利益が増えるのであれば、その方が良い改善かもしれません。
大事なのは、
部分的なコストではなく、全体としてどれだけ価値を生み出せるか
を見ることです。
お祭りにも「改善」の考え方があった
私は普段、製造業の現場改善や生産性向上に関わっています。
なので、どうしても
「流れはどうなっているか」
「どこがボトルネックか」
「もっと回転を良くできないか」
という見方をしてしまいます。
ただ正直、お祭りの屋台のような世界は、こうした改善や生産性という考え方とは、少し縁遠いものだと思っていました。
でも今回のスーパーボールすくいを見て、
「ここにも同じ考え方があるんだ」
と少し嬉しくなりました。
ポイからお玉へ。
一見すると、単に遊び方が変わっただけに見えます。
でもその裏には、
回転率。
サイクルタイム。
時間あたり売上。
全体最適。
そんな考え方が隠れているのかもしれません。
改善のヒントは、工場の中だけにあるわけではない。
日常の中にある「なぜ?」を少し掘り下げてみると、意外なところに改善の考え方が見つかる。
今回のお祭り特集を見ながら、そんなことを感じました。


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