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気になるニュースを見つけました。

創業100年を超える、いわゆる「老舗企業」の倒産が、過去最多のペースで推移しているというものです。

帝国データバンクの調査では、2026年1~8月の時点で老舗企業の倒産が112件に達し、過去最多だった2024年を上回るペースだと報じられています。

この数字を見て、最初に思ったのは、

「100年続いた会社でも、なくなるのか」

ということでした。

当たり前といえば当たり前なのですが、100年という時間の重みを考えると、少し考えさせられます。

「100年企業が1~2%」と「100年生き残る確率」は違う

よく、

「100年企業は全企業の1~2%程度」

という数字が紹介されます。

ただ、これは現在存在している企業の中で100年以上続いている企業の割合です。

ある企業が創業した瞬間から100年後まで生き残る確率とは、別の数字です。

本当に100年生存率を出すなら、100年前に創業した企業を追いかけて、何社残っているかを見る必要があります。

いずれにしても、100年間企業を存続させることが極めて難しいことには変わりません。

100年の間には、

戦争。

恐慌。

オイルショック。

バブル崩壊。

金融危機。

震災。

感染症。

原材料高。

人手不足。

技術革新。

顧客ニーズの変化。

直近では新型コロナウィルス感染症による影響はかなりのものでしたよね。

このように、経営者個人では到底コントロールできない出来事が何度も起きます。

それを何世代にもわたって乗り越えてきた。

それだけでも、私は相当なことだと思います。

100年企業は「良い商品を作った会社」だけではない

では、なぜ100年続いたのでしょうか。

「良い商品を作ってきたから」

「お客様を大切にしてきたから」

もちろん、それもあると思います。

ただ、それだけでは100年は続かないでしょう。

一番重要なのは、

100年間、顧客から選ばれ続けてきた

という事実ではないでしょうか。

どれだけ素晴らしい技術を持っていても、顧客から必要とされなくなれば会社は続きません。

逆に、100年続いている会社は、

時代ごとに、

「自分たちは何を求められているのか」

を読み取りながら、少しずつ姿を変えてきたはずです。

商品を変えた。

売り方を変えた。

顧客を変えた。

設備を変えた。

組織を変えた。

時には本業の定義そのものを変えた会社もあるでしょう。

つまり、

100年間同じことを続けてきた会社ではなく、100年間変わり続けてきた会社

なのだと思います。

ただし、何でも変えればいいわけではない

ここが面白いところです。

100年企業は、変わってきた。

でも、全部を変えてきたわけではありません。

会社として大切にする価値観。

顧客との向き合い方。

品質への考え方。

信用。

商売に対する姿勢。

そういったものは、むしろ変えずに守ってきた。

私は、長く続く企業の強さは、

「何を変えて、何を変えないか」を判断し続けてきたこと

にあるのではないかと思います。

これは簡単なようで、非常に難しいことです。

長く続いたこと自体が、弱みに変わることもある

一方で、今回のニュースを見て、もう一つ考えたことがあります。

それは、

長く続いてきたこと自体が、時に変化を妨げるのではないか

ということです。

100年続いた。

昔からこのやり方でやってきた。

この商品で会社を支えてきた。

長年の取引先がいる。

こうしたものは、すべて会社の財産です。

しかし同時に、

「これまでうまくいったから、これからも大丈夫」

という思い込みにもなり得ます。

成功体験が大きい企業ほど、過去のやり方を手放すのは難しい。

ある意味では、

企業の強みが、そのまま企業の弱みに反転する瞬間

があるのかもしれません。

後継者不足も、単なる「人がいない」問題ではない

老舗企業の倒産理由として、後継者不足もよく挙げられます。

確かに、それは大きな問題です。

ただ私は、

「後継者がいない」

だけで終わらせてしまうと、少し表面的だとも思います。

そもそも、

次の世代が「この会社を継ぎたい」と思える会社になっているか。

そこまで考える必要があります。

利益が残らない。

設備は古い。

仕事は属人的。

将来像が見えない。

借入だけが残る。

そういう状態で、

「後継者がいない」

と言っても、それはある意味当然かもしれません。

事業承継とは、人を探すことだけではなく、

次の世代に渡せる会社にしておくこと

でもあると思います。

「100年続ける」こと自体が目的ではない

もう一つ、少し違う見方もあります。

会社は長く続けば続くほど良いのでしょうか。

もちろん、存続することは大切です。

従業員もいる。

取引先もいる。

地域とのつながりもある。

簡単になくしてよいものではありません。

ただ、

「会社を残すこと」そのものが目的になってはいけない

とも思います。

本来は、

顧客に価値を提供する。

働く人の生活を支える。

社会に必要とされる。

その結果として会社が続く。

この順番なのではないでしょうか。

「100年続いたから、101年目も同じ形で続ける」

ではなく、

101年目も必要とされるために、何を変えるのか。

そちらの方が重要です。

100年という歴史を「守る」とは何なのか

今回のニュースを見て、私は、

「せっかく100年続いたのだから、何とか残せないものか」

と思いました。

でも、考えていくと、

会社を守ることと、今の形を守ることは同じではない

のだと思います。

商品を変える。

事業を変える。

設備を変える。

場合によってはM&Aも使う。

外部の人に経営を任せる。

会社の名前すら変えることがあるかもしれない。

それでも、その会社が100年間大切にしてきた価値を次につなげられるなら、それも立派な「承継」です。

本当に守るべきなのは、

建物でも、

商品でも、

昔からのやり方でもなく、

「なぜこの会社が顧客から選ばれてきたのか」

なのかもしれません。

100年企業から学ぶこと

100年続いた企業が倒産する。

このニュースを、

「老舗でも厳しい時代だ」

だけで終わらせるのは、少しもったいないと思います。

むしろ私たちが考えるべきなのは、

なぜ、その会社は100年間残れたのか。

そして、

なぜ、101年目を迎えられなくなったのか。

この二つではないでしょうか。

続いてきた理由と、続けられなくなった理由。

その両方を見ることで、

これからの企業経営に必要なものが見えてくる気がします。

長く続く会社とは、

変わらない会社ではなく、

守るものを見極めながら、変わり続けられる会社。

100年企業の倒産が増えているというニュースを見て、改めてそんなことを考えました。

CATEGORIES:

経営

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