経営者に必要なものは何か。
決断力、行動力、リーダーシップ、人を見る力……。
いろいろあると思いますが、私はその中でも、**「危機感」**は非常に大事だと思っています。
ただし、ここでいう危機感とは、
「このままでは会社が危ない!」
と、いつも焦っていることではありません。
むしろ、
「今は大丈夫。でも、このままで本当に大丈夫か?」
と考えられることです。
「今は大丈夫」が一番怖い
業績が悪くなれば、多くの会社は動きます。
売上が落ちた。
利益が出なくなった。
仕事が減った。
人が辞めていく。
こうなれば、何かを変えなければなりません。
難しいのは、今は特に困っていないときです。
仕事はある。利益も出ている。現場も回っている。
だから、
「まあ、今のままでいいか」
となってしまう。
しかし、人手不足、賃上げ、原材料・エネルギー価格の上昇、デジタル化、生成AIなど、会社を取り巻く環境は確実に変化しています。
昨日までうまくいっていたやり方が、5年後も通用するとは限りません。
「それは、いつまで大丈夫?」
製造現場では、こんな言葉を聞くことがあります。
「ベテランがいるから大丈夫」
「今の設備でまだいける」
「うちの仕事はAIではできない」
「昔からこのやり方でやっている」
もちろん、本当に問題がないこともあります。
でも、一度考えてみてほしいのです。
「それは、いつまで大丈夫なのか?」
ベテランが退職したら?
採用がさらに難しくなったら?
人件費がさらに上がったら?
競合企業がAIや自動化で、圧倒的に速く仕事をするようになったら?
今は問題がなくても、環境が変われば一気に問題になることがあります。
余裕があるうちに動く
危機感のある会社ほど、問題が起きる前に動いているように思います。
人が足りなくなる前に、省人化を考える。
ベテランが辞める前に、技能伝承を進める。
利益が出ているうちに、設備投資をする。
仕事があるうちに、新しい市場を探す。
AIやDXも、必要になってからではなく、今のうちから少しずつ試してみる。
会社に余裕がなくなってから改革するのは大変です。
余裕があるときに危機感を持てるか。
ここが大きな差になるのではないでしょうか。
危機感は「会社を動かすセンサー」
危機感と悲観は違います。
「これから大変になる」と不安になるだけでは、何も変わりません。
大切なのは、
「このままでは危ない。では、今のうちに何をするか?」
まで考えることです。
現場は、どうしても今日の仕事を見ます。
だからこそ経営者は、少し先を見る。
「3年後、この会社はどうなっているだろう?」
「今の強みは、そのときも強みだろうか?」
「今のやり方を続けて、本当に大丈夫だろうか?」
経営者にとって大切なのは、
「今、大丈夫か」ではなく、
「このままで、未来も大丈夫か」。
危機感とは、会社を不安にさせるものではなく、
会社を早く動かすためのセンサー。
私はそう考えています。


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