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電話をかけても、なかなかつながらない部長がいました。

何度かけても、返ってくる言葉は決まっていました。

「今、会議中です」

もちろん、管理職になれば会議が増えるのは当然です。

ただ、それにしても多すぎないか。

いろいろな会社を訪問していると、そんなことを感じる場面があります。

生産性向上、人材育成、技能伝承、DX。

企業から相談されるテーマはさまざまですが、話を聞いていくと、

「管理職が会議ばかりで時間がない」

という問題に行き着くことがあります。

私は、会議そのものが悪いとは思いません。

問題なのは、

「本当に、この会議は必要なのか?」

という問いを持たないまま、会議を続けてしまうことです。


こんな会議、ありませんか?

たとえば、こんな会議です。

目的が曖昧な会議

「一度みんなで集まって話しましょう」

そんな一言で始まる会議です。

何について話すのかは分かっていても、

何を決める会議なのかが分からない。

その結果、話はいろいろ出るものの結論が出ず、

「では、また検討しておきます」

で終わってしまいます。


出席者が多すぎる会議

「念のため、この人にも入ってもらおう」

「関係しそうだから、この人も」

そうやって参加者を増やしていくと、気づけば10人、15人という会議になります。

でも実際に発言するのは3人だけ。

残りの人は、ほとんど聞いているだけです。

会議に参加している間、その人は当然、自分の仕事ができません。

1時間の会議に10人が参加すれば、会社としては10時間を使っています。

会議は決してタダではありません。


資料作りに時間をかけすぎる会議

会議そのもの以上に気になるのが、会議資料です。

PowerPointのレイアウトを整える。

グラフの色を揃える。

文章を何度も修正する。

上司に説明するための資料を、さらに上の上司向けに作り直す。

もちろん、分かりやすい資料は必要です。

しかし、本来の目的は、

「立派な資料を作ること」ではなく、「良い判断をすること」

のはずです。

会議1時間のために、資料作成に半日かけているとしたら、その時間も含めて見直す必要があります。


「定例だから」で続いている会議

毎週月曜日の朝。

毎月第1金曜日。

昔から決まっている会議なので、とりあえず開催する。

そんな定例会議もあります。

始めた当初は必要だったのでしょう。

しかし、環境も人も仕事の内容も変わります。

それでも会議だけは変わらない。

「この会議は何のためにやっているのですか?」

と聞いたときに、

「昔からやっています」

しか答えが出てこないのであれば、一度見直してもよいのではないでしょうか。


結論が最初から決まっている会議

もう一つあるのが、いわゆる「シャンシャン会議」です。

事前の根回しが完璧で、会議が始まる前から結論が決まっている。

誰も反対せず、

「異議ありません」

で終了する。

根回し自体が悪いわけではありません。

むしろ、意思決定をスムーズにするために必要な場合もあります。

ただ、すでに結論が決まっているのであれば、

本当に全員を集めて1時間使う必要があるのか。

そこは考えてみてもよいと思います。


会議のムダは、現場のムダでもある

製造現場では、

「5分の手待ちをなくそう」

「歩行距離を少しでも減らそう」

「段取り時間を10分短縮しよう」

と、一生懸命改善します。

ところが、その一方で、

管理職10人が2時間の会議をしていても、あまり問題視されないことがあります。

少し不思議です。

10人が2時間集まれば、合計20時間です。

現場では数秒、数分単位で改善を考えるのに、会議になると急に時間に対する感覚が甘くなる。

私は、会議も立派な改善対象だと思っています。

設備や作業だけを見るのではなく、

「会社の中で、人の時間がどこに使われているか」

を見ることも、生産性向上には欠かせません。


会議を減らす前に、まず3つ決める

会議を開くのであれば、最低限、次の3つを明確にしておくとかなり変わります。

1.何のための会議なのか

情報共有なのか。

アイデア出しなのか。

意思決定なのか。

まず、目的を明確にします。


2.会議が終わったときに、何が決まっていればよいのか

ここが重要です。

「○○について話す」ではなく、

「○○を決める」

まで具体化します。

会議の出口が明確になれば、議論も脱線しにくくなります。


3.本当に必要な人は誰か

全員を呼ぶ必要はありません。

決定に必要な人。

意見を聞く必要がある人。

その人たちに絞ります。

情報共有だけであれば、メールやチャットで済む場合もあります。


会議を短くする4つの方法

さらに、明日からでも試せる方法を4つ挙げます。

1.事前にアジェンダを共有する

会議が始まってから、

「今日は何についてでしたっけ?」

では時間がかかります。

事前に、

  • 目的
  • 議題
  • 決めたいこと
  • 所要時間

を共有しておくだけでも、会議はかなり進めやすくなります。


2.資料は事前に読んでもらう

会議の時間を「資料説明会」にしないことです。

資料やデータは事前に送り、できるだけ目を通してもらう。

会議では説明よりも、

「では、どうするか」

を話す時間を増やします。


3.短い会議は立ってやる

15分程度で終わらせたい会議であれば、スタンディングミーティングも有効です。

座らないだけで、

「長々と話すのはやめよう」

という空気が自然と生まれます。

進捗確認や朝会などには使いやすい方法です。


4.ファシリテーターを育てる

会議の生産性は、進行役によって大きく変わります。

話が脱線したら戻す。

発言が一部の人に偏ったら、他の人にも振る。

残り時間を意識する。

最後に、

「誰が、何を、いつまでにやるのか」

を確認する。

こうした進行ができる人が社内にいると、一つひとつの会議だけでなく、組織全体の会議効率が上がっていきます。


「会議をなくす」ことが目的ではない

ここまで書くと、

「では、会議を減らせばいいのか」

と思われるかもしれません。

そうではありません。

必要な会議は、もちろん必要です。

大切なのは、

必要な会議に、必要な人が集まり、必要な時間だけ使うこと。

そして、会議が終わったら何かが前に進んでいることです。

会議の回数が多いことよりも、

何も決まらない会議が多いことの方が問題です。


会議時間の「目安」を決めてみる

では、勤務時間のうち、会議に使う時間はどのくらいが適切なのでしょうか。

もちろん、会社や職種によって違うので、一律に決めることはできません。

ただ、私は一つの目安として、次のようなイメージを持っています。

役職理想的な会議時間の比率
一般社員5〜10%
経営層20〜40%

一般社員であれば、本来の仕事に集中する時間をできるだけ確保したいところです。

仮に1日8時間勤務なら、5〜10%は24〜48分程度です。

毎日何時間も会議に参加しているのであれば、一度見直してみてもよいかもしれません。

一方、経営層は少し事情が違います。

経営判断。

部門間の調整。

人材や投資についての意思決定。

こうした、

「人と話して決めること」そのものが仕事の一部

だからです。

そのため、一般社員より会議時間の割合が高くなること自体は、おかしなことではありません。

ただし、経営層であっても、

勤務時間のほとんどが会議で埋まっている状態が、本当に健全なのか。

これは考えてみる必要があります。

経営者や管理職には、

現場を見る時間。

部下と話す時間。

お客様について考える時間。

会社のこれからを考える時間。

こうした時間も必要です。

会議で予定表を埋め尽くすことが、仕事をしていることとは限りません。


一度、自分のカレンダーを見てみる

ここまで読んだら、一度、自分の予定表を見てみてください。

そして、ざっくりでよいので、

「自分は勤務時間の何%を会議に使っているか」

を計算してみてください。

意外と、

「こんなに使っていたのか」

と気づくかもしれません。

さらに、一つひとつの会議について、

「この会議、本当に必要だろうか」

「1時間ではなく30分でできないか」

「この10人、本当に全員必要だろうか」

「資料を作り込みすぎていないか」

と考えてみる。

これだけでも、かなり変わります。


その1時間、本当に必要ですか?

現場では、数分を削減するために知恵を絞っています。

であれば、会議についても同じように考えてみてもよいのではないでしょうか。

会議を一つ減らすだけでも、その時間を、

部下との対話に使える。

現場を見る時間に使える。

改善を考える時間に使える。

お客様のために使える。

会社の未来を考える時間にも使えます。

現場では、

「ムダな動作」

「ムダな運搬」

「ムダな在庫」

を減らします。

だったら、

「ムダな会議」も改善対象にしていい。

会議も、立派な仕事のプロセスです。

まずは一度、自社の会議を棚卸ししてみてはいかがでしょうか。

CATEGORIES:

生産性向上

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